◆障害基礎年金の支給停止等(国民年金法36条) 
             
             一.障害基礎年金は、その受給権者が、当該傷病による障害について、労働 
              基準法の規定による障害補償を受けることができるときは、6年間、その支給 
              を停止する。 
             二.障害基礎年金は、受給権者が障害等級に該当する程度の障害の状態に 
              該当しなくなったときは、その障害の状態に該当しない間、その支給を停止 
              する。 
             三.支給を停止された障害基礎年金の受給権者が疾病にかかり、又は負傷し 
              かつ、その傷病(当該障害基礎年金の支給事由となった障害に係る傷病の 
              初診日後に初診日があるものに限る。)に係る初診日において、「被保険者」 
              又は「被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳 
              以上65歳未満である者」のいずれかに該当した場合であって、当該傷病に 
              よりその他障害の状態にあり、かつ、当該傷病に係る障害認定日以後65歳 
              に達する日の前日までの間において、障害基礎年金の支給事由となった 
              障害とその他障害とを併合した障害の程度が障害等級に該当するに至った 
              ときは、支給停止を解除して支給する。 
              保険料納付要件の規定は、上記の場合に準用する。 
             
             
             ◆労働基準法との調整による支給停止 
              業務災害が発生し障害者になった場合、被保険者は、国民年金に対して 
              障害基礎年金の請求権が発生するとともに、労働基準法の規定により障害 
              補償を受ける権利が発生する。労働基準法の規定による障害補償を受ける 
              場合、障害基礎年金は6年間の停止になる。 
              しかし、実際は会社は労災保険に加入しているので、障害補償年金が支給 
              され、労災保険を減額して、満額の障害基礎年金の支給を受けることになり 
              ます。 
 
             ◆その他障害による支給停止の解除 
              障害等級に該当しなくなったことにより支給を停止された障害基礎年金の 
              受給権者に、その他障害が発生し、65歳に達する日の前日(65歳の誕生日 
              の前々日)までの間において、障害基礎年金の支給事由となった障害と 
              その他障害とを併合した障害の程度が、障害等級に該当するに至ったときは 
              支給停止を解除して支給する。 
             
             
             ◆20歳前傷病による障害基礎年金の支給停止(国年法36条の2第1項) 
             
              20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が次のいずれかに該当する 
              とき((b)及び(c)に該当する場合にあっては、厚生労働省令で定める場合 
              に限る。)は、その該当する期間、その支給を停止する。 
             (a)恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金 
               たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることが 
               できるとき。 
             (b)刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。 
             (c)少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。 
             (d)日本国内に住所を有しないとき。 
             ・厚生労働省令で定める場合とは(則34条の4) 
             (1)懲役、禁鋼若しくは拘留の刑の執行のため若しくは死刑の言渡しを受け 
               刑事施設に拘置されている場合若しくは留置施設に留置されて懲役、禁固 
               若しくは拘留の刑の執行を受けている場合、労役場留置の言渡しを受けて 
               労役場に留置されている場合又は監置の裁判の執行のため監置揚に留置 
               されている場合 
             (2)少年法24条の規定による保護処分として少年院に送致され、収容されて 
               いる場合又は売春防止:法17条の規定による補導処分として婦人補導院に 
               収界されている場合 
              ※未決勾留(判決確定前の拘束等)については、上記の厚生労働省令で 
               定める理由に含まれていないので、有罪が確定するまでは支給停止は 
               行わない。 
             
             ◆20歳前傷病による障害基礎年金の本人の所得による支給停止 
              (国民年金法36条の3第1項、36条の4第1項、令5条の4) 
             
             一.法30条の4の規定による障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が、 
              その者の所得税法に規定する控除対象配偶者及び扶養親族(以下「扶養 
              親族等」という)の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、 
              その年の8月から翌年の7月まで、政令で定めるところにより、その全部又は 
              2分の1(子の加算が行われている障害基礎年金にあっては、その額から 
              加算する額を控除した額の2分の1)に相当する部分の支給を停止する。 
             二.震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、自己又は所得税法 
              に規定する控除対象配偶者若しくは扶養親族の所有に係る財産等につき 
              被害金額が、その価格のおおむね2分の1以上である損害を受けた者がある 
              場合においては、その損害を受けた月から翌年の7月までの法30条の4の 
              規定による障害基礎年金については、その損害を受けた年の前年又は 
              前々年における当該被災者の所得を理由とする一.の規定による支給の 
              停止は、行わない。 
             
             ◆政令で定める額 
              扶養親族等がないときは、360万4,000円とし、扶養親族等があるときは、 
              360万4,000円に当該扶養親族等1人につき原則として38万円を加算した額 
 
             ◆障害基礎年金の支給の停止 
             一.の規定による障害基礎年金の支給の停止は、一.に規定する所得が462万 
              1,000円(一.に規定する扶養親族等があるときは、462万1,000円に当該 
              扶養親族等1人につき原則として38万円を加算した額とする。以下同じ。)を 
              超えない場合には障害基礎年金のうち2分の1(子の加算額が加算された 
              障害基礎年金にあっては、その額から加算額を控除した額の2分の1)に 
              相当する部分について、当該所得が462万1,000円を超える場合には障害 
              基礎年金の全部について、行うものとする。 
             
             
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