◆障害厚生年金の額(厚生年金保険法50条、51条)
一.障害厚生年金の額は、老齢厚生年金の額の規定の例により計算した額
とする。この場合において、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となる
被保険者期間の月数が、300に満たないときは、これを300とする。
二.障害の程度が障害等級の1級に該当する者に支給する障害厚生年金の
額は、上記に定める額の100分の125に相当する額とする。
三.障害厚生年金の給付事由となった障害について国民年金法による障害
基礎年金を受けることができない場合において、障害厚生年金の額が国民
年金法33条1項に規定する障害基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額
(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上
100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする)に
満たないときは、一.及び二.の規定にかかわらず、当該額をこれらの項に
定める額とする。
四.障害厚生年金の併合の規定により併合した障害厚生年金の額が、消滅
した障害厚生年金の額よりも低額であるときは、従前の障害厚生年金の額
に相当する額とする。
五.障害厚生年金の額については、障害認定日の属する月後における被
保険者であった期間は、その計算の基礎としない。
◆障害厚生年金の額の計算式(当面の間、従前額保障で計算)
(平成15年4月以後)
1級・・・平均標準報酬額×1,000分の5.481×被保険者期間の月数×
100分の125+(配偶者加給年金額)
2級・・・平均標準報酬額×1,000分の5.481×被保険者期間の月数+
(配偶者加給年金額)
3級・・・平均標準報酬額×1,000分の5.481×被保険者期間の月数
(平成15年3月以前)
1級・・・平均標準報酬月額×1,000分の7.125×平成15年3月までの
被保険者期間の月数×100分の125+(配偶者加給年金額)
2級・・・平均標準報酬月額×1,000分の7.125×平成15年3月までの
被保険者期間の月数+(配偶者加給年金額)
3級・・・平均標準報酬月額×1,000分の7.125×平成15年3月までの
被保険者期間の月数
◆報酬比例の年金額の計算式(従前額保障)
(平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月迄の被保険者期間月数
+平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以降の被保険者期間
月数)×1.031×0.981(平成23年度価格)
◆障害厚生年金3級の最低保障・・・589,900円(平成25年度価格)
・配偶者加給年金とは、受給権者がその権利を取得した当時、その者によって
生計を維持していた65歳未満の配偶者がいるときに支給されます。
・被保険者期間の月数が300に満たないときは300(300月保障)として計算
します。
平成15年3月までの式で計算した額と平成15年4月以後の式で計算した額
の合算額に、300を全体の被保険者期間の月数で除して得た数を乗じます。
・老齢厚生年金と異なり、乗率(1,000分の5.481)は定率であり、昭和21年4月
1日以前に生まれた者であっても生年月日に応じた乗率の読替えは行わ
れません。
・障害厚生年金の額を計算するにつき、被保険者期間の月数は、障害認定日
以前で計算することになる。また、障害厚生年金の給付事由となった障害に
ついて、障害基礎年金を受けることができない場合の最低保障額は、障害
基礎年金の額(780,900円×改定率)の4分の3相当額です。
◆65歳以後の1級・2級の障害厚生年金の最低保障
平成14年4月から、厚生年金保険の適用事業所に使用される65歳以上
70歳未満の者は、老齢又は退職を支給事由とする年金受給権にかかわらず
厚生年金保険の被保険者とされました。しかし、これらの者のうち、老齢又は
退職を支給事由とする年金受給権を有する者は国民年金の第2号被保険者
とされないために、65歳以後に厚生年金保険の加入中の傷病によって障害
となった場合、障害基礎年金が支給されず障害厚生年金のみが支給される
ことになります。
その場合、障害厚生年金3級には、従前から最低保障額(2級の障害基礎
年金の額の4分の3相当額)がありましいたが、1級又は2級の障害厚生年金
について最低保障額が設けられていなかったため、障害の程度が重いにも
かかわらず、3級の障害厚生年金よりも低額となる場合がありました。
平成16年改正により障害基礎年金が支給されない障害厚生年金1級又は
2級についても、3級の障害厚生年金の最低保障額と同額が保障されるよう
見直しが行われました。
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