◆先天性心臓病とは
先天性心臓病は生まれながらにして心臓や大血管(心臓からの血液を送り
出す血管や、心臓へ血液を戻す血管)の構造上の異常を認める奇形の一種
で、先天性心疾患とも言われます。
左右の心室の間の壁に一部欠損がある心室中隔欠損症、
左右の心房の間の壁に一部欠損がある心房中隔欠損症、
@肺動脈狭窄、A大動脈乗騎、B心室中隔欠損、C右室肥大の四つの
徴候を認めるファロー四徴候、その他動脈管開存症、心内膜床欠損症、
大血管転位などの多くの種類の先天性心臓病があります。
発生頻度は、出生1,000人に10人程度ですが、学童期では1,000人に対して
2人から3人に減少すると言われています。このような患者数減少の原因と
しては、新生児期、乳児期にはほとんど死亡する重症例や心室中隔欠損症
では欠損口が自然に閉鎖することがあるためです。
最近では、医療技術、特に心臓血管外科手術の技術が飛躍的に進歩し、
先天性心臓病についても良好な手術成績が得られ、健常者と同様の生活を
送れる方が多くなりました。
以前は手術困難、不可能と思われていた重症例にも手術が始められて
います。
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